【行政法・第10回】処分プロセスを徹底整理!申請と不利益処分の流れをマスター

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行政手続法の学習において、最もボリュームがあり、かつ試験で得点源になるのが「処分」の手続きです。

前回学んだ「申請」と「不利益処分」の区別をベースに、今日はそれぞれの具体的な「流れ(プロセス)」を一緒に追いかけていきましょう。

この記事が参考になる方

  • 申請から処分までの流れを、具体的かつ視覚的に理解したい方
  • 「聴聞」と「弁明の機会の付与」の細かな違いを整理したい方
  • どの手続きが「義務」で「努力義務」かを一表で確認したい方

特に不利益処分は、肢別過去問でも問題数が多く、細かい数字や「主宰者」などのキーワードが飛び交います。戦友として、一つずつ紐解いていきましょう!

肢別過去問チェック:本日の問題

行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りではない。

【答え】 ◯(正しい)

答えの考え方:不利益処分は「理由」が命

不利益処分は、相手にとって「営業停止」や「免許取り消し」といったダメージがあるものです。だからこそ、「なぜそんな酷いことをするのか」という理由の提示は、原則として処分と同時に行う義務があります。

ただし、緊急で差し迫った必要がある時だけは後回しにできますが、その場合も、処分後に相手から求められたら、相当の期間内に示さなければなりません。

申請に対する処分のタイムライン

まずは、私たちが行政に「〜を許可してください」とお願いする「申請」の流れです。

具体例:キッチンカー(移動販売)の営業許可申請


【申請プロセスのイメージ】

審査基準の策定・公表(事前にハードルを公開)

申請(書類が窓口に到達)

審査開始(標準処理期間の目安に沿って進む)
↓ ※必要に応じて「公聴会」を開催
処分(許可 or 拒否 + 理由の提示)

各ステップのポイント

  • 審査基準(義務):あらかじめ「どんな条件ならOKか」を決めて、誰でも見られるようにしておく必要があります。
  • 標準処理期間(努力義務):「だいたい1ヶ月で審査します」という目安を決めるよう努めなければなりませんが、あくまで努力目標です。
  • 公聴会(任意):大きな開発許可など、周りの住民の意見を聞く必要がある時は「公聴会」を開くことができます。
  • 理由の提示(義務):もし「拒否」されたなら、なぜダメなのかを教えなければなりません。

不利益処分のタイムライン

次に、行政から一方的に「おしおき」が下される「不利益処分」の流れです。

具体例:賞味期限偽装による「10日間の営業停止処分」


【不利益処分プロセスのイメージ】

処分基準の策定(役所内部の「おしおき目安」)

事前の通知(「あなたを処分する予定です」という予告)

意見陳述手続(「言い分を聞くチャンス」:聴聞 または 弁明)

処分決定(営業停止 + 理由の提示)

各ステップのポイント

  • 処分基準(努力義務):不利益処分はケースバイケースな面が強いため、基準を作るのは「努力義務」に留まっています。ここ、審査基準(義務)とのひっかけで超頻出です!
  • 理由の提示(義務):冒頭の問題通り、原則として処分と同時に行います。

3. 徹底比較:聴聞 vs 弁明の機会の付与

不利益処分をする前に、相手の言い分を聞く「意見陳述手続」には2種類あります。重い処分なら「聴聞」、軽い処分なら「弁明」です。

項目聴聞(ちょうもん)弁明(べんめい)の機会の付与
対象許認可の取消しなど重い処分営業停止、過料など比較的軽い処分
形式口頭(ライブ形式の審理)原則として書面(提出して終わり)
主宰者行政庁が指名した職員が仕切る仕切り役(主宰者)はいない
文書閲覧処分の原因となる資料を見せてもらえる文書の閲覧請求はできない
代理人選任できる選任できる

初学者の覚え方ポイント:

「聴聞(ちょうもん)」は、相手の人生を左右する大事件(免許取消しなど)なので、ドラマの裁判シーンのように、資料を見ながら直接話し合うイメージです。一方の「弁明」は、「言い訳を紙に書いて出してね」という簡略版です。

4. 義務か、努力義務か?総まとめ表

肢別過去問で最も点数を削りに来るのがここです。表でパシッと整理しましょう!

項目申請に対する処分不利益処分
基準の設定義務(審査基準)努力義務(処分基準)
基準の公表義務努力義務
期間の設定努力義務(標準処理期間)
理由の提示義務(拒否した時)義務(処分と同時)
公聴会任意(利害関係人の参加)

戦友メモ:

審査基準(申請用)は国民が準備するために絶対必要だから「義務」。 処分基準(おしおき用)は、悪知恵を働かせる人が出るかもしれないから、あえて伏せてもいい「努力義務」。

こう考えると、なぜ義務と努力義務に分かれているのか腑に落ちますよね!

5. 【重要】記述式対策フレーズ

今回の範囲から、40字記述で狙われやすいポイントを2つピックアップしました。

①審査基準の公表について

Q:行政庁は、申請に対する審査基準についてどのような義務を負っているか?

A:審査基準を定め、かつ、行政上特別の支障があるときを除き、これを公表しなければならない。(45文字)

②不利益処分の理由提示について

Q:不利益処分をする際、処分の理由を提示するタイミングとその例外について書け。

A:処分と同時に示さねばならないが、差し迫った必要がある場合は処分後に示せば足りる。(41文字)

どちらも「キーワード(同時、公表、特別の支障など)」を抜かさないように練習しましょう!

次回予告

次回は、行政手続法の残りのパーツ、「行政指導・届出・命令等制定手続(パブリックコメント)」を一気に解説します。

ここまで終われば行政手続法は完了です。最後まで一緒に走り抜けましょう!

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