【行政法・第19回】行政事件訴訟法フィナーレ!当事者訴訟の正体と客観的訴訟の急所

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これまで学んできた「取消訴訟」などは、行政の強いパワー(公権力)に対して「やめて!」と言うものでした。 対して、今日学ぶ「当事者訴訟」は、もっと対等な立場の争いです。でも、中身が「公のルール」に関わるから、民事裁判ではなくわざわざ行政訴訟の枠組みに入っています。

この記事が参考になる方

  • 「当事者訴訟」と「民事訴訟」の違いを、具体例で納得したい方
  • 形式的当事者訴訟の「お金の揉め事」の構図を整理したい方
  • 民衆訴訟・機関訴訟の「ここだけは暗記!」という得点源を知りたい方

肢別過去問チェック:本日の問題

土地収用法に基づき、収用された土地の補償金の増額を求める訴訟は、収用委員会を被告として提起しなければならない。

【答え】 ×(誤り)

答えの考え方:お金の喧嘩は「払う人」と「もらう人」でやる

これは「形式的当事者訴訟」の典型例です。 「土地を没収する」という決定をしたのは収用委員会(役所)ですが、争いたいのは「金額」だけ。 この場合、裁判の相手(被告)は役所ではなく、実際にお金を払う側(起業者:国や民間企業など)になります。役所は「金額が決まったら教えてね、その通りにするから」という審判のような立ち位置に退くのです。


「当事者訴訟」を完全解明:民事訴訟と何が違う?

当事者訴訟には2つのパターンがあります。

① 実質的当事者訴訟(公法上の権利争い)

「対等な争いだけど、中身が行政のルール(公法)に関わるもの」です。

  • 具体例:
    • 公務員の給料請求:雇い主(国)との契約関係ですが、法律に基づくものなので当事者訴訟。
    • 日本国籍の確認:「私は日本人だ!」という権利の主張。
    • 公法上の確認訴訟:選挙権の有無を確認するなど。

② 形式的当事者訴訟(中身は民事、形は行政)

本来なら行政(役所)を相手にすべき「処分の不満」を、「当事者同士の争い」という形で解決するものです。

  • 具体例:
    • 土地収用の補償金増額:上述の通り、土地所有者 vs お金を払う人(起業者)で争う。

2客観的訴訟:民衆訴訟・機関訴訟の鉄則

自分の権利が侵害されていなくても、「社会のルールとして正しくない!」と訴えるのが「客観的訴訟」です。これには最大の鉄則があります。

「法律に定めがある場合に限り」提起できる!

自分に関係ないことに首を突っ込むので、何でもかんでもOKにすると裁判所がパンクしてしまいます。だから、法律で決まったケースだけなんです。

① 民衆訴訟

国民が、国民としての立場で「正義」を問う訴訟です。

  • 選挙無効訴訟:選挙のやり方がおかしい!
  • 住民訴訟:役所の税金の使い道が怪しい!

② 機関訴訟

役所(行政機関)同士のナワバリ争いやケンカです。

  • 知事 vs 大臣:国と地方の意見対立。
  • 市町村 vs 都道府県

【重要】記述式対策フレーズ:当事者訴訟と準用

当事者訴訟には、抗告訴訟のような「執行停止」という概念がありません。ここが超重要です。

Q:当事者訴訟において、権利の実現を一時的に図るために利用される、抗告訴訟の執行停止に代わる制度は何か? A:民事訴訟法における仮処分に関する規定が準用される。(23文字)

抗告訴訟では「仮処分」は禁止(執行停止があるから)ですが、当事者訴訟では「仮処分」が主役になります。


【試験あるある】当事者訴訟の「わかったような、わからないような」を壊す

「民事訴訟でよくない?」という疑問への回答はこれです。

「公のルール(公法)が絡むかどうか」。 例えば、あなたが国からお金を借りて返さないなら、それはただの「民事」です。でも、「公務員としての給料」や「生活保護の受給権」といった、行政法というフィルターを通した権利については、当事者訴訟という「行政訴訟」の枠組みで扱うのです。

狙い: 「実質的当事者訴訟 わかりやすく」「形式的当事者訴訟 被告」といった検索意図に対し、「お金のやり取りの相手が誰か」という実利的な視点を提示して解決します。


行政事件訴訟法:最後の仕上げ「教示」

行政不服審査法でも出てきた「教示」ですが、訴訟法にもあります。 裁判所ではなく、行政庁(役所)が処分をするときに、「不満なら裁判もできるよ、相手は国で、期限は6ヶ月だよ」と教えてあげる義務です。 不服審査法の教示とセットで狙われやすいので、「裁判でも教示はある!」と覚えておきましょう。


次回予告

行政不服審査法・行政事件訴訟法という「行政法の二大巨頭」を突破しました! 次回からは、行政のミスで損害を受けたときに「お金で解決」してもらう「国家賠償法」へ進みます。 「公務員がわざとやったのか?」「道路の穴で怪我をした!」など、具体的な事例が多くて楽しい分野ですよ!

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